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アルフレッサ関連会社 調剤報酬不正23万件で9500万円返還へ

アルフレッサ関連会社 調剤報酬不正23万件で9500万円返還へ

 

2019年6月に発覚した、医薬品卸大手「アルフレッサホールディングス(東京)」の子会社による薬歴改ざん問題。問題発覚後、第三者委員会が調査を進めていましたが、2019年12月26日、関連会社が運営する全国の薬局で調剤報酬の不当請求が2014年以降に約23万件あったことを明らかにしました。
調査報告書によると、14年1月~19年4月に薬歴の記録がなかったケース(未記載)が計23万155件あることがわかりました。同社は不当請求で得た計約9500万円を患者や健康保険組合などに返還する方針としています。また、最初に問題が発覚した北海道の店舗では、薬歴の改ざんが1万4404件あったとして、約600万円を返還するとしており、同社は関与した薬剤師らの処分も検討しているとのことです。

参考:調剤報酬、不当請求23万件…医薬品卸大手9500万円返還へ(2019年12月27日ヨミドクター)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20191227-OYTET50005/?catname=news-kaisetsu_news

 

今回北海道の店舗で起こった薬歴改ざんの内容とは、厚生局の個別指導で一部の薬剤服用歴管理指導料に不適切な請求があると指摘された後に、薬歴の記録を行い、未記載の薬歴の数を減らしたことだそうです。薬剤服用歴管理指導料を算定するには薬歴の記載が必須となっているため、レセプトを提出する前に薬歴の記載をしておく必要があります。当然厚生局に指摘されてからの記入で算定はできません。
15年にはドラッグストア大手のツルハホールディングスでも薬歴未記載による不当請求がありました。薬歴未記載が増えてしまった背景に、どんな背景があったかも気になるところです。人出不足や業務過多が原因だったのでしょうか?
働き方改革が叫ばれている昨今、薬剤師業界は調剤報酬の厳しい改定が続いており、業務量がどんどん増えてきている印象があります。薬剤師の働き方改革についても、考える必要があるのかもしれません。
また、当然ですが薬歴を早く書くことも大事です。例えば、薬別に指導内容を決めておけば定型文を作っておくことができるので、薬歴記入のスピードを上げることができます。投薬時にも指導内容に迷うことがなくなるので、投薬業務もスムーズに行えるようになります。まだ実践されていない方がいたらぜひ試してみてください。

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