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新型コロナの薬剤師採用への影響は? 求人減少、転職理由に変化も

新型コロナの薬剤師採用への影響は? 求人減少、転職理由に変化も

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、多くの業種で雇用を控える動きが加速しています。3月の有効求人倍率は3年半ぶりの低水準となり、失業者が昨年より100万人以上増えるのではないかともいわれています。今後さらに落ち込む可能性がある雇用状況ですが、薬剤師の採用にはどのような影響があるのでしょうか。薬剤師専門の転職サポート「ファーマキャリア」より、新型コロナウイルスによる薬剤師の転職市場への影響について、現状をお伝えします。

新型コロナウイルスの影響で派遣を中心に薬剤師求人が減少傾向

薬局や病院では、3月から徐々に採用活動を控える動きが増え、特に4月以降は緊急事態宣言により、採用の延期や自粛を決めるところが相次ぎました。外出自粛による患者数減少や、処方日数が長期化した影響で薬局の売上が下がっており、経営不振や人が足りていることから募集を停止するケースも増えています。

中には、院内感染により一時採用停止となる病院や、新型コロナウイルス対策への対応で手が回らないという理由で面接を見送る医療機関もあります。

特に、昨年から減少傾向にあった派遣の求人は大幅に減りました。派遣薬剤師の場合、コロナ禍以前のように「探せば次が見つかる」といった状況ではなくなっています。派遣求人が復活する見通しが立たないため、この機会に常勤への転職を考える必要が出てきています。

処方箋枚数が少ない状態が長期化すれば、薬剤師の待遇が悪化していく可能性もあります。現職に不満のある方は、状況が悪くなる前に動き出す必要があります。

多くの薬局・病院ではコロナ禍でも募集継続中

全体での求人数は減少していますが、元々人手不足であることもあり、今の所、採用にそこまで大きな影響が出ているということはありません。薬局や病院は、緊急事態宣言下であっても社会生活に必要不可欠な施設としてむしろ営業を継続することが要請されています。

小学校や保育園の休校・休園によって、ママ薬剤師が出勤できず人手不足に陥っている薬局もあります。休校の延長で、3月~5月に中途入社予定だった子育て中の薬剤師が入社延期になるケースも多数確認されています。

また、薬剤師の需要は全体的な傾向・地域の相場といったものでは必ずしも決まりません。個別の薬局ごとに、既存人員の勤務状態や離職、新規の採用によって大きく変わってきます。求人数が減れば仕事探しの手間は増えますが、希望の条件での転職ができないというわけではないので、エージェントとしては力の見せ所でもあります。

新型コロナウイルスの採用プロセスへの影響

採用活動は、薬局の見学や面接でマスク着用が必須となるなど、各社感染予防に気をつけて進められています。一部ではありますが、WEB面接も取り入れられています。

WEB面接の方法には、ZoomやSkype等のビデオ通話システムや、 interview makerといった専用のツール等があります。いずれも、パソコン・スマートフォン・タブレットで参加でき、遠隔であってもスーツやスーツに準ずる服装で参加します。操作は難しくはないですが、「慣れないため接続に戸惑った」「設定に時間がかかってしまった」といった声も聞かれます。ファーマキャリアでは、WEB面接の操作や対策のサポートもしていますので、不安な方はお気軽にご相談ください。

WEB面接は特に大手薬局で利用されています。これは、

  • WEB面接のためのITリソースがある
  • 採用を地域単位や全国で集約しているため、対面での面接に出張が必要になるケースがある
  • 政府の要請もあり、店舗では在宅勤務が不可能な調剤薬局では、採用部門を含む本社機能を在宅勤務にしているところも多い

といった理由があります。

採用担当者が在宅勤務の場合、在宅での採用プロセスに担当者も候補者も慣れていないため、内定までが長くなりがちではあります。しかし、多くの薬局を展開している企業ではいわゆるWithコロナ・Afterコロナ時代を見据えて、採用を継続しています。

転職希望者は減っておらず、コロナ禍ならではの転職理由も

外出自粛の状況でも、転職を希望する薬剤師は前年同月と比べてさほど減っていません。
転職の理由や背景には、一部で新型コロナウイルスの影響がみられています。

元々人手不足の薬剤師業界において、転職活動者の悩みの一つは退職ができるかどうかでした。内定を得て退職を切り出したところ、その場しのぎの昇給提案や、強い引き止めにあって辞められない、という相談も多くありました。しかし現在、新型コロナウイルスの影響で売上が減っている薬局では、退職交渉がスムーズになっています。そのため、現職と求人状況の比較検討をしないまま、退職日が決まり転職活動を開始されるパターンもみられます。

他にも、飲食業や旅行業など、医療関係以外の仕事をされていた薬剤師の方が、コロナの影響で減給や失業となったため、薬剤師資格を活かして働きたいという事例も増えています。

残念ながら新型コロナウイルスで内定取り消しとなったり、ご家族に反対されて内定を辞退したといったケースも発生しています。

転職・就職をお考えの薬剤師の皆様へ

新型コロナウイルスの感染状況により、薬剤師の転職・就職状況も刻一刻と変わっています。もし少しでも、転職についてお考えの方は、ぜひお早めにご相談ください。

ファーマキャリアでは各社の採用状況を元に、電話やメールでスピーディーに求人をご紹介いたします。また、今こそ薬剤師の職能を発揮して働きたい、とお考えのブランクのある方、今転職すべきか迷われている方も、ぜひご相談ください。今、必要とされている医療を守る仕事だからこそ、ファーマキャリアのコンサルタントが精一杯サポートさせていただきます!


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