JT(日本たばこ産業)は、今年1月に製造販売承認を取得したアトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム軟膏0.5%」(一般名:デルゴシチニブ)に関して、低濃度製剤となる「コレクチム軟膏0.25%」を5月29日付で承認申請したと発表しました。すでに承認を取得している0.5%製剤は6月24日にJT子会社の鳥居薬品が発売する予定です。
コレクチム軟膏は非ステロイド性であり、細胞内の免疫活性化シグナル伝達に重要な役割を果たすJAK(ヤヌスキナーゼ)の働きを阻害することにより、免疫反応の過剰な活性化を抑制します。世界初の外用JAK阻害剤となるとのことです。
アトピー性皮膚炎患者を対象とした試験では、16歳以上対象、2歳以上16歳未満対象のいずれの場合もプラセボに対するコレクチム軟膏のデルゴシチニブ軟膏の優越性、長期投与時における安全性が確認されたとのことです。
参考:
JT JAK阻害薬コレクチム軟膏の低濃度製剤を承認申請 小児アトピー性皮膚炎治療薬として(2020/6/2 ミクスonline)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=69378
JTと鳥居薬品、アトピー性皮膚炎治療薬「コレクチム軟膏 0.5%」が日本国内における製造販売承認を取得(日本経済新聞2020/1/23)https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP527508_T20C20A1000000/
現在アトピー性皮膚炎の外用薬というと、ステロイド軟膏やプロトピック軟膏が使われる場合が多いと思いますが、これからは今回発売されるJAK阻害剤という新しい選択肢が加わることになります。
ステロイド軟膏は症状が改善した後の減量が難しい点で使いにくさがあり、一方プロトピック軟膏は使用時刺激感や、紫外線をできるだけ避ける必要がある点で使いにくさがありました。コレクチム軟膏は副作用が少なく、使用時の刺激感も起こりづらいそうなので、従来の薬に使いにくさを感じていた患者さんにとっては待望の新薬となる可能性があります。
0.5%製剤が今月末に発売予定とのことで、実際の使用感等にも注目していきたいと思います。
参考: 【ここまで進んだ最新治療】従来の薬より副作用が少ない アトピー皮膚炎の新しい外用薬、JAK阻害薬「コレクチム軟膏」(zakzak by夕刊フジ 2020/4/28)
https://www.zakzak.co.jp/lif/news/200428/hea2004280003-n1.html
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