バイオジェン(米)とエーザイが共同開発を進めていたアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」が、来年にも米国で承認申請される見通しとなりました。
アデュカヌマブは18年12月までに18ヵ月間の臨床試験を完了していた計1748人のデータを基にした中間解析で、このまま続けても目標としている効果を示す可能性は低いと評価され、両社は今年3月に臨床試験を中止していました。しかしその後、中間解析の後から試験中止までの約3ヵ月間に得られた分などを追加した計3285人(うち、完了していたのは計2066人)のデータを内部で解析したところ、2つの臨床試験のうちの片方で、認知機能の低下を抑える効果について目標を達成していたことがわかり、承認申請に至りました。
当初、脳に浮腫が生じる副作用を避けるため、一部の患者で投与量を抑えていましたが、投与量を漸増する場合は副作用をある程度軽減できることなどがわかり、16年7月と17年3月の2度にわたって実施計画書が変更され、一部の患者の投与量が引き上げられました。その結果、中間解析後に追加されたデータには、高用量の投与を受けた患者がより多く含まれることとなり、効果が大きく表れたとみられています。
アデュカヌマブは18年12月までに18ヵ月間の臨床試験を完了していた計1748人のデータを基にした中間解析で、このまま続けても目標としている効果を示す可能性は低いと評価され、両社は今年3月に臨床試験を中止していました。しかしその後、中間解析の後から試験中止までの約3ヵ月間に得られた分などを追加した計3285人(うち、完了していたのは計2066人)のデータを内部で解析したところ、2つの臨床試験のうちの片方で、認知機能の低下を抑える効果について目標を達成していたことがわかり、承認申請に至りました。
当初、脳に浮腫が生じる副作用を避けるため、一部の患者で投与量を抑えていましたが、投与量を漸増する場合は副作用をある程度軽減できることなどがわかり、16年7月と17年3月の2度にわたって実施計画書が変更され、一部の患者の投与量が引き上げられました。その結果、中間解析後に追加されたデータには、高用量の投与を受けた患者がより多く含まれることとなり、効果が大きく表れたとみられています。
参考:認知症治療薬の最有力候補、治験中止から承認申請へ…前代未聞の大逆転なるか?(2019/11/29 ヨミドクター)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20191128-OYTET50011/?catname=news-kaisetsu_kaisetsu-kikaku_shiritai
アルツハイマー病治療薬に関してはアミロイドβ仮説に着目して開発を進める製薬会社が多くありましたが、相次いで失敗してきました。今回承認を目指すアデュカヌマブの作用機序もアミロイドβ仮説に基づいており、アミロイドβに結合してその量を減らすことにより、治療効果を発揮します。
アデュカヌマブは今までの治療薬が一時的に症状を改善する対症療法薬だったのに対し、長期にわたり臨床症状を改善することが期待され、今までのアルツハイマー病治療を大幅に変える可能性を持っています。また、今回のように一度中止になった開発薬が申請に至るのは異例中の異例の出来事であり、この点にも注目が集まっています。審査にあたる米食品医薬品局(FDA)の判断に注目していきたいですね。