本人の同意を得たうえで、医療機関どうしで治療に関する情報を共有した場合に、診療報酬を支払う新たな制度を導入することが、おおむね決まりました。これは現在凍結されている「妊婦加算」に代わる制度として厚生労働省が提案しています。
「妊婦加算」は、妊娠している人が医療機関を受診した際に算定されていましたが、妊婦だけに負担を強いることに批判が相次ぎ、凍結されています。
新たな制度は、妊婦だけに限らず、糖尿病やがんなどの患者も対象とし、本人の同意を得たうえで、医療機関どうしで治療内容や検査結果に関する情報を共有した場合、情報提供した病院に診療報酬が支払われます。具体的な診療報酬額については今後決めるとのことです。
このほか、厚生労働省は、妊婦が安心して医療機関を受診できるよう、産婦人科以外の医師を対象とした研修や、相談窓口の設置などを行う方針も示しました。
参考: 凍結中の「妊婦加算」廃止し新制度導入へ 中医協(NHK NEWS WEB 2019/12/20)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191220/k10012222751000.html
医療機関同士で情報共有したい場面はとても多くあると思います。今まではこのような加算もなかったので、患者さんの情報に関する問い合わせを行うことに少しハードルがあったのではないかと思います。今回の施策が行われることで、情報共有がしやすくなり、より安全で確実な医療を提供できるようになるのではないでしょうか。
また、この医療機関の中に調剤薬局が入るのかどうかが気になるところです。薬局でも薬をお出しするのに病院での診断情報等が必要で問い合わせを行うことが多々あります。問い合わせに時間がかかってしまうことも多いため、今回の情報共有による加算が調剤薬局による問い合わせの場合にも適用になるといいなと思います。今後の報道に注目していきたいですね。