世界保健機関(WHO)の研究フォーラムで共同議長を務めたマリーポール・キニー氏は、中国人科学者が2つの新型コロナウイルス治療薬の治験を行っており、数週間以内に臨床試験の結果が出るとの見通しを明らかにしました。すべての臨床試験を同じ基準で行えるよう、段取りを進めているとのことです。
また、正確な人数はわからないものの、多くの患者が、すでに抗ウイルス薬「リトナビル」と「ロピナビル」を併用投与されているとのこと。この治療法に効果があるかは現時点でわかっていませんが、すでにHIV治療薬としてジェネリック製剤が開発されているため、供給はしやすいとの見解を述べました。さらにこのHIVの併用療法は米製薬大手アッヴィから「カレトラ配合錠」として販売されています。
また中国国営の研究所は、米製薬大手ギリアド・サイエンシズのエボラ出血熱の治験薬「レムデシビル」を新型コロナウイルスの治療薬として使用する特許を出願しています。こちらも効果を確認するには数週間の期間が必要としています。
参考: 新型ウイルス、数週間以内に臨床試験結果=WHOフォーラム(REUTERS 2020年2月13日)
https://jp.reuters.com/article/china-health-who-drugs-idJPKBN206314
猛威をふるっている新型コロナウイルスの治療薬について、以前インフルエンザ治療薬と抗HIVウイルス薬の混合投与についての記事を紹介しました。
新型コロナウイルスにインフルエンザ治療薬と抗HIV薬の混合投与が有効か
一方今回の記事では抗HIVウイルス薬2種の混合投与と抗エボラウイルス薬の投与について述べられており、新しい薬の開発と共に、既存の種々の抗ウイルス薬の投与による検証も進められているようです。
新型コロナウイルスは感染力が高く、あっという間に広がりを見せてしまっていますが、早く治療法が確立され、流行が落ち着くことを願ってやみません。
治療薬の開発や治療法の確立について、今後の報道にも注目していきたいですね。