神奈川県立足柄上病院などのチームが、新型コロナウイルスに感染して肺炎になった患者3人にシクレソニド(商品名:オルベスコ)を使用したところ、症状が改善したと発表しました。
報告書によると、シクレソニドによる治療を受けたのは、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に乗船していた67~78歳の男女3人とのこと。
3人は酸素吸入をしていましたが、いずれも先月20日にシクレソニドを投与したあと、2日程で改善が見られ、すでに73歳の女性は退院したそうです。
シクレソニドを肺に届くまで吸入することでウイルスが増殖して起きている肺の炎症を抑制する効果が期待されるとしています。
症例が少なく、効果を評価できないとして、今後、他の医療機関と共同で効果について調べるとのことです。
参考: 新型ウイルスで肺炎 ぜんそく治療薬で症状の改善見られた例も(NHK NEWS WEB 2020年3月3日)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200303/k10012310671000.html
オルベスコが新型コロナウイルスに効果を表したとは驚きですね。オルベスコは通常気管支喘息の治療に使われる吸入ステロイドですが、抗炎症作用のほかに抗ウイルス作用も確認されているそうです。
喘息での使用経験が多く小児にも適応がある薬なので、実際に効果が確認された場合スムーズに治療に取り入れることができそうです。
すでにこの報道でオルベスコの需要が急激に高まり、品薄になっています。気管支喘息で通常使用していた患者さんの薬が確保できない場合が出てくるかもしれませんので注意が必要です。
まだ症例が少ないので今後の報告にも注目していきたいですね。