2018年度からはじまった、神戸薬科大学による健康食品の専門知識を持った薬剤師を養成する「特定領域認定制度」。今年4月、初めて6人の薬剤師が「健康食品領域研修認定薬剤師」として認定されました。
同大学では2007年に生涯研修認定制度(G07)の認証を受け、研修事業を行うエクステンションセンターを開設しています。今後は、健康食品領域研修認定薬剤師制度(P05)と生涯研修認定制度(G07)の2つの領域において受講者層の開拓を狙っていくそうです。
■健康食品領域研修認定薬剤師とは
健康食品領域研修認定薬剤師とは、健康食品やサプリメントに関する専門知識を有し、消費者に科学的根拠に基づいた適正な情報を提供できると認められた薬剤師のことを指します。
<認定までの流れ>
研修認定薬剤師の資格を取得した後、健康食品分野に関する講座や研修会への出席、実務実習への参加が必要です。
講座内容については、健康食品の制度や法律の基礎、医・薬・栄養・食品学の視点で健康食品を学ぶ講座、消費者への助言や指導法を学ぶ講座等、多岐にわたります。4年以内に40単位以上を取った後、論文を提出。その後、論文発表会を経て審査を通過すれば健康食品領域研修認定薬剤師の認定を取得できます。
※「健康食品指導薬剤師」は19年度までは資格を更新できるものの、その後は制度が廃止され、健康食品領域研修認定薬剤師制度(P05)に統合される予定です。
参照:
【薬剤師のスキルアップと生涯学習】神戸薬科大学エクステンションセンター(2019/7/19薬事日報)
https://www.yakuji.co.jp/entry73281.html
健康食品やサプリメントにおけるアドバイザー資格としては、NR・サプリメントアドバイザーやサプリメントアドバイザーが有名です。
どういった方がアドバイザーの資格を取得するかというと、例えば、日本臨床栄養協会が発行しているNR・サプリメントアドバイザーでは、指定資格のない方が最も多く、次いで薬剤師、管理栄養士という結果となっています。
参照:『NR・サプリメントアドバイザー』認定者内訳(日本臨床栄養協会)
http://www.jcna.jp/supple/index14.html
神戸薬科大学による「健康食品領域研修認定薬剤師」は、薬剤師資格はもちろんのこと、研修認定薬剤師資格も取得して初めて、認定を受ける権利が得られるため、非常に専門性が高い資格です。
昨今、日本におけるサプリメントや健康食品の摂取量は増えており、サプリメントを服用している人の中には、日常的に医薬品を服用している人も多くいます。
医薬品との飲み合わせ等を考えると、サプリメントのアドバイスは医薬品の知識が豊富にある薬剤師資格者が行うのが、一番良いのではないでしょうか。
本制度の認定者が増えることを願ってやみません。
編集者:A