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ママ薬剤師のための“保育所の探し方“

ママ薬剤師のための“保育所の探し方“

「保育園探し、始めなきゃいけないのはわかっているけど、何から始めればいいのかわからない…」そんなママ薬剤師さんも多いのではないでしょうか?
保育園戦国時代ともいえるこの時代。保育園選びにおいては、情報収集をいかにきちんと行うか、そして出来るだけ早めに始めるのというのが勝ち抜く秘訣です。
今回は、それぞれの保育所の特徴と保育所を選ぶ時の注意点についてご紹介します。

保育所の分類は4つある

認可保育所
認定こども園
認証保育所(東京都独自の制度)
認可外保育所


認可保育所
国が定めた設置基準を満たしており、都道府県知事に認可された保育施設のことを指します。認可保育所には、公立認可保育所と私立認可保育所の2種類があり、認可保育所の施設基準は以下の通りです。

 

認可保育所

保育に従事する者一人当たりの乳幼児の数

0歳児:3人
1、2歳児:6人
3歳時:20人
4、5歳児:30人
※常時2名以上配置

保育従事者の資格

保育士

認可保育所の保育料は私立・公立問わず、所得によって異なります。預ける時間や年齢、子供の数などによっても差が出てきますが、主に所得に応じて算出されます。


認定こども園
都道府県の条例により認定された、教育・保育を一体的に行う保育施設のことです。以下の4つのタイプがあります。

<認定子ども園の種類>
幼保連携型 : 認可幼稚園と認可保育園が連携して運営
幼稚園型 : 認可幼稚園に、保育時間を確保するなど、保育園の機能をプラス
保育所型 : 認可保育所に、保育が不要な子どもを受け入れるなど、幼稚園の機能をプラス
地方裁量型 : 幼稚園でも保育園でもない地域の教育・保育施設が運営

施設基準は以下となっています。

 

認定こども園

保育に従事する者一人当たりの乳幼児の数

0歳児:3人
1、2歳児:6人
3歳時:20人
4、5歳児:30人
※常時2名以上配置

保育従事者の資格

0~2歳児:保育士
3~5歳児:
幼稚園教諭の免許と保育士資格の併有が望ましいが、片方でも可(原則、長時間保育は保育士)。

※3~5歳の短時間利用児と長時間利用児に共通する時間帯(4時間)は、35人以下の学級を編成し、学級担任を1人以上配置します。
※満3歳以上の短時間利用児に対する職員数は、幼稚園の基準を適用します。

保育料は認可保育所と同じように決まります。詳細に関しては地方自治体の窓口に聞いてみてください。

認定こども園の良さは、保育に加えて、幼稚園で実施されている幼児教育が受けられるという点です。
働きたいものの、子供に教育を受けさせるために幼稚園に入れたいと考えているママ薬剤師さんにはオススメです。

なお、認定こども園が近くにない場合は、幼稚園で預かり保育を行っている所も多いことから、幼稚園に問い合わせてみるのも一つの手です。ただし、平日は預かり保育をやっているものの、夏休みなどの長期休みは休業している施設もあるので、注意してください。


認証保育所
認証保育所は東京都独自の制度で、東京都によって定められた基準を満たした保育所のことを指します。認証保育所は待機児童の解消、そして多様化する保育のニーズに答えるべく2001年に創設されました。2019年5月現在で600弱の施設数となっています。

認証保育はA型とB型の2種類があり、それぞれの主な特徴は以下の通りです。

 

A型

B型

定員

20人~120人

6人~29人

対象児童

0歳から5歳

0歳から2歳

保育従事者の資格

認可保育所と同様の配置基準とする。
ただし、常勤職員(保育士等)は6割以上とする。

出展:認証保育所について(東京都福祉保健局) http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/hoiku/ninsyo/index.html

0歳児から預けることができ、保育料は一定の範囲内において施設ごとの自由設定となります。保育従事者の資格は認可保育所と同様です。


認可外保育所
認可外保育所とは、児童福祉法第35条第3項に基づき、区市町村が設置届け出を出した、または同条第4項に基づき民間事業者等が都道府県知事の認可を受け設置した「認可保育所」以外の子供を預かる施設を指します。例えば、ベビーホテルや事業所内保育、院内保育施設などが挙げられます。

保育に従事する人の要件は、以下となっています。

 

認可外保育所

保育に従事する者一人当たりの乳幼児の数

0歳児:3人
1、2歳児:6人
3歳時:20人
4、5歳児:30人
※常時2名以上配置(11時間まで)
11時間を超える時間帯は、保育児が1人の場合のみ、1人配置が可能。

保育従事者の資格

保育従事者の3分の1以上は、保育士または看護師の資格を有する者

出展:認可外保育施設指導監督基準 資料3(文部科学省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/094/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2013/02/07/1330504_9.pdf

保育料に関しては補助対象施設を除き、料金の定めや上限額はなく、自由設定となります。

「認可外」というと、悪いイメージを持つ薬剤師さんもいるかもしれませんが、施設によっては認可保育所などでは対応できない、細かなサポートしてくれる施設もありますので、保育施設に何を求めるかで、印象が異なるかと思います。

例えば、認可外保育所の中にはベテランの先生を多数そろえている施設や、英語を教えてくれる施設、茶道や書道を学ぶことができる施設などがあります。
薬剤師の場合は、病院や薬局などに併設の保育所が該当します。とくに院内保育施設では、24時間の預かり保育を実施している施設もあるので、病院で働く薬剤師さんにとって選択肢の一つになるでしょう。

なお、認可外保育所に不安を覚える方で、東京都にお住まいの方は上記にある東京都福祉保健局のwebサイトに各施設の立ち入り調査の結果が掲載されているので、一度見ておくと良いかもしれません。他の地域にお住まいの方は、その地域管轄の福祉局のwebサイトをご覧ください。

それぞれの保育施設の保育料の違い

  保育料
認可保育所 世帯年収等に応じて算出される。市区町村によっても多少差が出る
認定こども園 世帯年収等に応じて算出される。市区町村によっても多少差が出る
認証保育所 施設ごとの自由設定
認可外保育園 施設ごとの自由設定

認可保育園と認定こども園は、年齢や預ける子供の人数、預ける時間、自治体によっても差がでてきますが、基本的には世帯の収入に応じて算出されます。
一方、認証保育所と認可外保育所は施設ごとの自由設定となります。
認証保育所の場合、一部の地域では補助金が出る場合もありますので、お住まいの地域の情報収集をしておくと良いでしょう。
また、認可外保育所に関しても、一部の地域では補助金がでる場合もあります。さらに2019年10月からは住民税非課税世帯の0~2歳児は月4.2万円、3~5歳児は月3.7万円の補助金が出ることが決定しています。

出展:「認可外保育に月3.7万円補助 政府案、3~5歳全世帯 19年10月から」日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31183650R30C18A5MM0000/

一般的に保育料は、認可保育所が安いのではないかと思われがちですが、世帯収入や自治体の助成額などによっては認証保育所、認可外保育所の方が安くなる場合もあります。保活を始める前に一度保育料について概算しておきましょう。

各施設の選定基準とは?

認可保育所、認定こども園は保育の必要指数が高い家庭から優先的に決まります。
保育の必要指数は両親の勤務時間や祖父や祖母にあたる補助の有無などから決まります。指数の決まり方の詳細は自治体により異なるので、自治体のホームページなどで調べておきましょう。

一方、認証保育所、認可外保育所は施設独自の選定基準となるため、それぞれの保育所によって異なります。先着順、抽選、独自の基準など各園により異なるので、各施設に問い合わせてみましょう。
特に先着順に決まる割合は多い傾向です。中には妊娠中から申し込みを受け付けている保育園もあるので、できれば妊娠中から問い合わせをしておく方が良いでしょう。

ママ薬剤師にとっては、認可保育所がベスト?

認可保育所は認可されているという安心感がある方が多いと思いますが、例えば勤務時間が短い場合、預けられる時間も標準時間より短い枠でしか預けられない「短時間保育」となるため、薬剤師さんそれぞれの働き方によっても預けやすさには違いが出てきます。
(通勤に時間がかかるなど理由がある場合は、基準に満たなくても標準時間に変更できることもあります)

また、認可保育所の場合は以下のようなルールがある保育所も存在します。

・仕事が休みの日は預けてはいけない
・仕事が終わったら、寄り道等せず迎えに直行しなくてはいけない

薬剤師の場合、平日休みがある方も多いと思いますが、その場合、平日でも仕事が休みの場合は預けられなくなりますので、その点も確認しておいた方が良いでしょう。中にはシフト表を提出しなければならない保育所もあるので、注意が必要です。

薬剤師さんにとって、忘れてはいけない選択肢の一つに「幼稚園」があります。パートで働く場合、勤務時間によっては保育所に入れる可能性が低くなるため、幼稚園への入園は選択肢の一つになります。ただし、幼稚園は子供が満3歳にならないと入園できません。

幼稚園に入園させることのメリットは、お絵かきのクラスや体操のクラスなど教育が受けられることにあります。また、イベントの開催も多いので、小学校に就学する前の準備期間として考えると良いと感じるご家庭も少なくないはずです。
保育時間はおおよそ、1日4時間、13:30~14:00までなので、午前中だけの勤務などの調整ができる場合は、選択肢の一つとして考えておきましょう。

色々と考えた結果、どうしても認可保育所に預けたい場合、多くの自治体では子供を認可保育所に入園させる前に認可外保育園に預けていると、その分、保育所入園のための点数が加算されます。(自治体により異なるので、ホームページで確認しておきましょう)

したがって、例えば、認可保育所の申し込みの1、2ヶ月前から認可外保育所に預けて加点を稼ぐという方法を実践してみても良いかもしれません。具体的に、どれくらい前から前から認可外保育園に預ければ加点されるかは自治体により異なるので、自治体のホームページなどで確認しましょう。

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