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製薬会社に向いている人は?~MRとして働くメリット・デメリット~

製薬会社に向いている人は?~MRとして働くメリット・デメリット~

一言に製薬会社と言っても幅広い職種があります。営業(MR)や開発、研究、学術など様々です。業種未経験で入社することを考えると、基本的にMRとして採用されるケースが多いと思います。近年製薬会社の中でもMRの人数が縮小傾向にあると報じられていますが、今現在勢いのある抗がん剤領域や希少疾病領域については増加傾向にあると言われています。
製薬会社は利益が景気に左右されずらく、福利厚生もしっかりしている会社が多いので今も昔も非常に人気があります。そして人気があるがゆえに、スキルが高い社員が多く選抜されており、入社するのは狭き門です。
そのような狭き門である製薬会社に向いている人とはどのような人なのでしょうか?MRとしても薬剤師としても勤務経験があるライターMAKIが、MRとして働くメリット・デメリットを紹介します。

製薬会社MRの業務とは?

まずはMRの業務内容を知るために、ひとつの例を1日の流れで見てみましょう。扱っている製品によって業務内容が変わることがありますが、一般的なMRとしての活動をご紹介します。

 

《製薬会社MRの1日の流れ 》

8:00

取引先の卸を訪問

9:00

出社

9:30

会議、当日のアポイントの準備

11:00

担当クリニック①にアポイント訪問

13:00

担当クリニック②にアポイント訪問

14:00

昼食

15:00

担当病院にアポイント訪問

17:00

担当病院にて製品説明会

18:00

日報など上司に仕事内容の報告

19:00

帰宅

この他に看護師や薬剤師など医療従事者の方々へ情報提供を行ったり、講演会やそれに伴う随行、出張に伴うチケット類の手配、学会取材などがあります。直行直帰が可能な会社が多いので、自分次第でうまくタイムマネジメントすれば早めに帰宅することもできます。しかし講演会がある日は帰宅が23時など、かなり遅くなる日もあります。

MRになってよかったことはこれ!

まず始めに製薬会社MRならではのメリットをみていきましょう。

1.年収
業界の安定性と年収は日本国内で見てもトップレベルで、普通に生きていればお金に困るということは考えられません。大手製薬会社であれば福利厚生も充実している会社が多く、住宅補助は8割以上支給されたり、営業手当てや日当などの諸手当も別で支給、もしくは基本給に上乗せされていたりするなど、給与面で大きなメリットがあります。
薬学生の就職先として多い、病院薬剤師300万~500万円、調剤薬局・ドラッグストア薬剤師400万~600万円と比較しても、モデル年収は600万~1000万円と高額です。薬学部で学ぶために奨学金を借りていた人にとっては、早めに返済できるという魅力もあります。

2.休暇
担当医療機関が個々で分かれているため、自分の仕事をしっかり終わらせていれば、休みが取りやすい環境です。
休みは長期でも取りやすく、実際年末年始に2週間以上休みをとって海外旅行している上司もいました。

3.スキル・知識
MRは営業職としては珍しく、自分よりも知識がある方(医師)を顧客としますので、気遣いや言葉遣い、マナー、医療に対する知識は必須です。研修でしっかりと教育してもらえますが、日々の業務で人としてのスキルや医療知識は向上しますし、その他エリアの分析力、自社製品の魅力を伝えるプレゼン力も向上します。

MRのつらいところ、、、

MRはいいところばかりの業種かと思われがちですが、デメリットもあります。

1.ストレス
自分の担当がはっきりとしているため、自分の数字が悪かった場合は自分のせいでしかありません。数字が良くなるまで上司から追及されることは普通にあります。数字がずっと良いということはほとんどないので、数字が悪い原因を突き止め、改善策を提案し、実行して成果を出すという一連の流れを自発的にかつ持続的に行う必要があります。「数字の悪化」や「上司からの追及」はストレスに直結しやすく、私が知る中では辞めていく人の原因の大半がストレスでした。

2.転勤
最近は働き方改革により無理な転勤は避けられている傾向がありますが、入社する条件として提示されていることが多く、基本的にMRは全国転勤です。転勤ごとにその地域に慣れ、新たに人間関係を構築する必要があります。もし家族を帯同する場合は自分だけでなく、家族全員に強いられます。帯同できないのであれば単身赴任しなければならないので、それもまた精神的にも金銭的にもつらいポイントです。そのため、長期間の単身赴任ののち、家族で一緒に暮らしたいという理由で転職する方もいます。薬剤師資格を持つMRの場合、地元の調剤薬局・ドラッグストアへの転職を考える人も多いですが、転勤が無くなるのと引き換えに年収が下がることがあります。MRとして長く勤めるほど、メリットであった「高年収」を手放すことにためらいが生じ、転職に踏み切れずタイミングを逃すこともあるそうです。

3.勉強
医療情報は常に変化しています。一度全て勉強したからといって、その知識だけでは長く通用することは難しく、常に変化していく医療情報についていく必要があります。医師から信頼されるためにも知識は重要ですので、社内で定期的なテストがあり評価に直結するところもあります。日々の勉強がつらいですがとても重要です。

他にも、クリニックや病院を回るため運転免許が必須となる場合が多く、業務に運転が必要なことをデメリットと感じる人もいます。

MRに向いているのはどんな人?

ズバリ今回挙げたデメリットがそこまで気にならない方が向いていると思います。
具体的には

・ストレスに強い
・行動力がある
・体力がある
・自己管理がしっかりできる
・コミュニケーション能力がある
・転勤が嫌ではない
・勉強好き、嫌いではない

このような方にはメリットばかりの職業だと思います。
また製薬会社の本社には開発や学術など他の職種もあり、MRから本社の別部署に移る方も多数います。営業以外のキャリアを経験してみたい方でも、製薬会社はとても魅力的かと思いますので是非チャレンジしてみてください。

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